印刷物の表面加工

CD DVDのジャケットや付属品に使われている印刷物は様々な加工や工夫を行うことによって表現の幅を広げることが可能になります。印刷物に付加価値をつけることによって、他の商品と比べ、インパクトを与えることが可能になります。また、印刷物は表面加工によってその強度を増し、高級感を出すことができます。表面加工にはラミネート、光沢コート、プレスコートなどがあります。

ラミネート加工

ラミネート加工は貼り加工ともいわれPP加工がその代表的なものです。PP加工は印刷物の表面に接着剤でPPフィルムを貼り合せて光沢を出す加工方法です。光沢コートやプレスコートより加工された表面よりも強いコーティングができるので、本の表紙やカバーなど強度を要する印刷物に使用されますす。ポリプロピレン製ですので用紙のリサイクルには向いていません。またマットPP加工はつや消しのPPフィルムを接着剤で貼り合せることにより表面をマット調に見せることができます。

光沢コート加工

光沢コート加工は表面加工の材料である透明のニスなどをローラーで塗装する方法です。透明のニスを塗ることによって表面を保護します。光沢のあるグロスニス(艶有り)とマットニス(つや消し)があります。光沢や表面の強度は他の表面加工より劣りますが、印刷機をそのまま利用でき、印刷の工程も時間がかからず、コストも抑えることができます。また製版により、部分的にニスをかけることもできます。

プレスコート

プレスコートは熱硬化樹脂を印刷面に塗り、熱と圧力をかけて圧着させ表面に光沢をつける加工方法です。光沢と強度はOPニスより高いですが、コストもOPニスより高くなります。プレスコートは片面のみで、両面のプレスコートはできません。

弊社では各種印刷物、表面加工なども取り扱っていますのでお気軽にご相談ください。

CDプレスとCD-Rの構造的違いについて

CDとCD-Rは見た目はほぼ同じです。DVDとDVD-Rも同様です。しかし同じように見えても、作り方や構造も違えば使い方も違います。

CDプレス

CDはスタンパーという原盤を作って、原盤にポリカーボネイトを流し込み、原盤から型を抜きます。そしてレザー光線が反射するようにアルミ層をコーティングします。さらにアルミ層が剥がれないようにコーティングし、盤面を印刷してCDができあがります。CDは工場で製造されるCDのことで、大量生産向きのプレス専用機械で製造します。

CD-R

一方CD-Rはアルミの膜との間にレーザーで変化する薬品がコーティングされていて、そこにレーザー光線でデジタル信号をパソコンのドライブ、レコーダーやデュプリケーターというCD-Rコピーする機械を使って、焼き付けデータを記録します。

大雑把に言うとCDは物理的なデコボコでデータが書き込まれており、CD-Rは化学的にデータが書き込まれているといえます。

デザイナーなら抑えておくべき。 スクリーン線数、解像度、画素数・・

CMYKで印刷されたオフセット印刷物を拡大したところ、網点が見える状態

印刷物は拡大すると小さな網点(点)の集まりであることがわかります。大小の網点を並べることによって画像を表現しています。

カラー印刷は通常C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインキから成り立っていますが、各色の網点をただ重ねるだけだと互いに干渉しあってモアレという縞模様がでてしまいます。そのため各色の並ぶ方向に角度をつけて、互いに干渉しないようにします。この4色の細かい点のバランスでフルカラーの印刷物が表現されます。使用する用紙によって違いはありますが、この網点を小さくすればするほど印刷された画像は高画質(高解像度)で再現されることになります。この網点の細かさを表す単位をスクリーン線数といいます。

スクリーン線数

スクリーン線数とは1インチに並ぶ網点の数のことをいい、単位はlpi(line per inch)・線であらわします。線数が高いほど肉眼での網点が目立たなくなり高画質な印刷物になります。逆に線数が小さいと網点が目立つようになり、粗い印刷物になります。

一般的な印刷物では175線が多く使用されます。スキャニングで画像入力する時に画像解像度を決める際にも出力線数を考えて決めます。画像解像度が低いのに出力線数だけを高くしても画像はきれいには見えません。一般的にカラー印刷物は出力線数の2倍くらいの画像解像度が適切なので175線の2倍の350dpiが適切です。必要以上に解像度を上げても出力線数を高くできなければ品質は良くならず、無駄にファイルサイズが大きくなってしまいます。スクリーン線数と解像度は印刷物の品質を決める大きな要因になります。

dpiはdot per inchで、1インチ当たりのドット数を表します。lpiと意味合いは近いですが、lpiは印刷線数に用い、dpiは画像の解像度に用います。
またppi (pixel per inch)という単位もありますが、dpiとほぼ同義に使われますが、dpiは印刷物の解像度、ppiは液晶そのものの画素数を表すことが多いです。Photoshopではppiが使われています。

ちなみにスキャンニングを行う場合は実際使用解像度350dpiの2倍ほどの、700dpi程度でスキャンするのがお勧めです。

間違えやすい! マスターCDの取扱方法・注意事項

使用メディアについて

オーディオCDの場合レコーディング、トラックダウン、マスタリングが終わるとCDプレス用のマスターを作ります。マスターCD-Rを作るためにはまずメディアを必要です。最近のCD-Rでは、基本どこのメーカーのCD-Rでも構わないのですが、やはり国産の有名メーカー製のものを使用してると安心です。太陽誘電製のCD-Rが品質的にも安心して使用できるのでお勧めです。値段は張りますが、マスター専用のCD-Rなどもありますので一度使ってみてはいかがでしょうか。

※マスターDVDを作る場合に、海外製超格安メディアを使用するとエラーが発生することが多いですので注意が必要です。

ディスクアットワンスでの書き込み

書き込みの際の注意点ですが、まず最も注意しなければいけないことは、CD-Rの書き込み方法です。ディスクアットワンスで書き込みを行ってください。トラックアットワンスやセッションアットワンスなどはエラーの原因になります。ディスクアットワンスとは1回の書き込みですべてを完成させる書き込み方法で、ディスクアットワンスで書き込んだCD-Rは追記することができません。

もし曲を追加して書き込めたりする場合はそのマスターCD-Rはプレス用のマスターCD-Rとして使うことはできません。再入稿をお願いすることになります。

マスターCDの書き込み速度について

iTunesのディスク作成設定画面で書き込み速度を設定しているところ

書き込み速度については、メディアとドライブの相性があります。必ずしも低速で焼いたほうがエラーが発生しにくいということはないようです。ただし、通常はソフト側の都合でできませんが、メディアの対応速度を超える速度で焼くのは厳禁です。

書き込み速度を気にするよりかは、書き込み終わったマスターCDのチェックをしっかりとやることの方重要です。

マスターCDの取り扱い

このようにしてマスターCD-Rができあがりましたが、CD-Rのレーベル面にタイトルを書く場合は先の柔らかいペンで書いてください。データ破損やエラーの原因になりますので先のとがったボールペンなどでは書かないでください。CD-Rはデータ面よりも盤面の方が傷に弱いです。

後は、CD-Rが傷つかないように、ケースに入れてしっかり梱包し弊社宛に送ってください。弊社でマスターCD-Rを確認いたします。そして問題がなければCDプレスの工程に進むことになります。

マスター作成の注意事項を簡単に説明させていただきましたが、ご不明の点などございましたら弊社までご遠慮なくお問合せください。

必ず必要!マスターCDの書き込み方法(ディスクアットワンス)

ライティングソフトnero(ネロ)のディスクアットワンス設定画面

CDプレスのマスターCD-Rの書き込みはディスクアットワンスで書き込む必要があります。

このディスクアットワンスは、1回の連続した書き込みで1枚のCDの書き込みを完了してしまう書き込み方法です。追記はできません。

以前、セッションが分かれたマスターCD-Rの入稿されたお客様がいらっしゃいましたが、追記可能な状態のCD-Rだったため、ディスクアットワンスでの再入稿をお願いしました。

ディスクアットワンスの方式で書き込まれたCDは、セッションが1組しかないためシングルセッションといいます。1度の書き込みにつき1組のセッションが書き込まれるセッションアットワンスや、1度の書き込みにつき一つのトラックが書き込まれるトラックアットワンスなどでは、追記が可能で、セッションを複数に分けることができます。そのためマルチセッションと呼ばれています。

マルチセッションに対応していないCD-ROMドライブなどで再生した場合、最初の1セッションだけしか読み出せないこともあります。ここ数年、最近のドライブではそのようなことはありません。

海外プレスのメリット・デメリット 品質について~

海外プレスのCD、DVDを輸送する飛行機の風景

いつも国内でCDプレスを行っているお客様から、「国内プレスから海外プレスに変更することは、納品に時間がかかるし、品質の保証もなく、リスクが伴うので難しい」というご意見を聞くことがありました。

一部、誤解されている所もありますので、弊社の海外プレスのメリット、デメリットについて説明させていただきます。

納期について

まず納期ですが、国内プレスが早くて海外プレスは遅いというのは最近では当てはまりません。弊社の場合、納期優先でご発注をいただけば、DVDは最短で4営業日後の発送が可能です。4営業日など超短納期をご希望される場合、あらかじめ工場とスケジュールを合わせるために予定を入れておく必要がありますが、海外プレスも短納期に対応できると考えております。

ただしデメリットとして通関の問題がございます。弊社の実績ベースで言いますと1%以下ですが、まれに通関で+1日ほどかかる場合があります。通関の対応次第で弊社の力ではどうしようもないのが実情です。お客様にご迷惑をお掛けすることがございます。その場合もできるだけご迷惑をお掛けしないよう、弊社の方で納期に余裕を持ったり、空港まで行くなど出来る限りの対応はとらせていただきます。

品質について

次に品質ですが、国内プレスが良くて海外プレスの品質が劣るということは一概には言えません。一部の海外プレスで品質の悪い工場も存在し、不信感を持たれる方もいらっしゃるのは事実ですが、弊社ではISO9000取得工場で生産しておりますので、国内プレスの品質と同等の品質をお約束いたします。

料金について

弊社の海外プレスの場合スタンパー料金は無料です(プレス代に含まれています)。国内プレスでは通常スタンパー料金がかかります。

一般的な料金についてはもちろん海外プレスの方が安い場合が多いです。

それでも海外プレスが適さない場合もございます。

弊社としましてはお客様のご要望に応じて、海外プレス、国内プレスをお勧めいたします。
ご要望によっては国内プレスの方が適してる場合もございます。

ホームページ掲載商品は海外プレスのみですが、弊社がお客様に満足していただける商品を提供できたら考えております。

デザイナー必見。印刷の基本的に知識について

CMYKとRGB

Adobeイラストレーター(Illustrator)のRGBとCMYKのカラーパレット

RGBとは光の3原色であるRed、Green、Blueの頭文字をとったものです。それぞれの光の強弱を組み合わせることにより、ほとんどの色(可視光)を表現することができます。テレビやパソコンのモニターの表現がこのRGBとなり、白はRGBはすべての色を混ぜ合わせた色になります。

CMYKとは印刷色の3原色であるシアン、マゼンタ、イエローとキー(黒)の4色の頭文字をとったものであり、これらの濃淡やインキの混ぜ合わせにより様々な色を表現することができます。印刷物などの表現がこのCMYKとなります。CDの付属品などの印刷物のデータ作成はCMYKでお願いします。CMYをすべて混ぜ合わせると黒にちかいグレーになります。CMYを混ぜ合わせた黒とBkの黒インキではとでは色味は違います。

CMYKはフルカラー印刷と呼ばれますが、光とは違いCMYKで表現できる色の範囲は限られています。

トンボ

印刷物の断裁位置を指示するためのトンボ

トンボとは、断裁位置を指示するためや、折り・ミシン目・スジ入れ加工の指示のために使用する印のことを言います。印刷現場ではトンボは各色版の見当合わせに使用します。断裁位置を指示するためのトンボは通常4隅と上下左右のセンターにつけます。デザインデータ作成の際は忘れずにお願いします。

塗り足し

断裁位置に対して3mmの余裕を持たせた、塗り足しとトンボの説明図

塗り足しとは、断裁して印刷物を指定のサイズに仕上げる際に断裁位置がずれても用紙の白(紙色)が出ないように、若干大きめに作る余裕部分のことを指します。通常塗り足しの幅は3mmですが、印刷物によっては2mmなど様々です。断裁位置がずれる原因としては、温度や湿度の変化のほか、多くの用紙を重ねて一度に断裁するため用紙ごとの小さなずれなどにより発生します。断裁位置が用紙の外側にずれた場合を考えてデザインをするのが塗り足しですが、内側にずれた場合も考えなくてはいけません。(余白)

断裁付近3mm程度は文字や切れてはいけない絵柄を配置しないようにするのが安全です。

環境を重視したエコ紙のCD、DVDケース

紙素材でつくられたCD、DVD用エコ紙ケースのトレイ部分 紙質は再生クラフト表紙でできたCD、DVDケース開いたところ

今回は環境にやさしいCD DVD用エコ紙ケースを紹介します。このエコ紙ケースは再生紙を利用したエコ素材のCD DVD用の紙製パッケージです。そしてこのエコ紙ケースにし使用しているCDケースの中面にあるCDの受け台やディスク止め(クランプ)も環境にやさしい材質を使用しており、このディスク止めは紙ケースとディスク止めは分別する必要はなく、そのまま資源ごみに出せます。紙質は再生クラフト表紙と白色コーティング表紙の2種類です。

最近ではごみも分類しなくてはならないため簡単には捨てられなくなりました。CDはごみの分類でいうとどれに当てはまるのでしょうか。

CDは材質的には金属にもプラスチックのようにも見えます。実際はポリカーボネートという素材を使用しております。リサイクルマークも付いていませんし、プラマークも付いおらず、資源ごみではありません。CDは燃えるごみということです。CDのジュエルケースやスリムケースなどのプラケースもプラスチックに見えますが燃えるごみに分類されます。リサイクルできるのはエコ紙ケースと紙ジャケットだけのようです。

ご依頼頂いた 紙ジャケットの見積について

以前メディアライブラリーで製作したCD紙ジャケットのサンプル

本日のご依頼いただきました見積り依頼のお客様がいらっしゃいました。

CD-ROMプレスで環境に配慮してプラスチック製のケース、スリムケースやジュエルケースではなく紙ジャケットをご希望されました。

紙ジャケットの良いところは、外部からの衝撃に強いことです。プラスチックケースは落としただけで割れたり傷がついたりしますが、紙ジャケットは落としても割れたりはしません。またプラスチックケースより厚さが少ない分コンパクトに収納できます。

紙ジャケットの最も特徴を活かせる点は、全面にジャケット印刷ができることによりデザインの独自性を強く出せるという点にあると思います。特に音楽CDやDVD-Videoなどの場合は、シングルジャケットのほか、二つ折りや三つ折の紙ジャケットなどにより、(価格は高くなりますが)プラケースとは違ったデザイン的付加価値をつけることが可能になると思います。

また紙ジャケット意外にも、配布用のCD-ROMなどの場合は窓付き封筒などでコストを低く抑えることもできます。用途にあわせてジャケットやケースなど最適なものをお選びいただけます。弊社ではオーダーメイドの紙ジャケットの制作も承っております。ご不明な点などございましたらご遠慮なくお問合せください。

銀色(シルバー)を活かしたちょっと変わった盤面印刷

盤面印刷|白を下地に4色オフセット印刷したCD  盤面印刷|銀地に4色オフセット印刷したCD  盤面印刷|白地に銀ヌキ処理と、4色オフセット印刷したCD

通常CD DVDプレスの場合、盤面印刷は下地に白ベタを敷いて印刷を行いますが、CDやDVDの記録面の銀盤の色を文字などの色にそのまま活かしたい場合は白ベタを敷かずに印刷を行うことも可能です。

このように文字やイラストなどに下地の銀盤の色を使用することを銀抜きといい、銀盤の色がそのまま表現されます。下地に白ベタを敷いた場合は白抜きになります。

銀抜きの場合内径が23mmから46mmの部分は記録面の材質が違い、色がかわるので見え方が変わるため注意が必要です。また内径46mmの部分には、刻印が入るので、盤面のデザインは気をつける必要があります。

オフセット印刷・シルク印刷(盤面)

オフセット印刷の場合の盤面印刷で、白ベタを敷く場合色数としてはCMYKの4色+白ベタの1色で合計5色になります。オフセット印刷の場合は写真やグラデーションをきれいに表現できるため、下地に白ベタを敷いて印刷することが効果的な表現になります。部分的に銀抜きを使うことも可能です。

シルクスクリーン印刷の場合はベタ刷りにむいているため、銀抜きで効果的に銀盤の色を活かせます。白ベタを敷くことも可能で、その場合白ベタを1色として数えます。それとは別に3色の特色が使用可能ということになります。デザイン仕様にあわせてより効果的な盤面印刷ができますように適切なご提案をさせていただきます。ご不明の点などございましたら遠慮なくお問合せください。

Older Posts »